「#名刺代わりの小説10選」をブログでやってみた

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2021年は、小説を100冊読みました。

こちらの記事で書いたように、図書館を活用し始めたことで読書量が格段に増えました。

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くらしに、笑顔を

読みたい本を探す時に便利なのが、SNS、特にツイッターです。
読書アカウントの方たちのツイートを見ていると、読みたい本がどんどん増えるので、それを図書館で借りて読むということを繰り返して、年間100冊の読書を達成しました。

ツイッターを見ていて楽しいのは、

#名刺代わりの小説10選

というハッシュタグ。
好きな作品や影響を受けた作品、誰かにおすすめしたい作品などを10作選んで、名刺代わりにするというものです。

おもしろいもので、10作揃うとその人らしさが見えてきたり、自分と趣味が合いそうな人が見つかったりします。

残念ながら僕はツイッターが苦手なのでアカウントは持っていません。
だけど、この10選はおもしろいのでやってみたい!
ということで、ブログ上で勝手に #名刺代わりの小説10選 をやってみたいと思います。

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10選を挙げる上での自分ルール

さて、ここから僕の10選を挙げていきますが、自分なりのルールを二つ作りたいと思います。
それは、

①一人の作家さんにつき、一作品のみの選出
②シリーズ物の場合は、その中から「特に」という一冊を出す

①については、このルールがないとかなり偏ってしまうからです。おそらく、一人の作家さんの作品が4つも5つも出てくることになってしまう。。。なので、このルールを作りました。
②については、「○○シリーズ」と一括りにしてしまうのは、なんとなくズルいような感じがしてしまうからです。選ぼうと思えば、そのシリーズの中からでも1冊を選べるのでは?と考えたからです。

それでは、いよいよ僕の10選を発表していきましょう!
ネタバレなしの紹介でいきたいと思いますので、未読も方も安心して読み進めてくださいね。

#名刺代わりの小説10選

凍りのくじら/辻村深月

一作家一作品しばりで一番悩んだのが、辻村深月さんの作品から一つ選ぶこと。
辻村さんの作品から10選でもあっという間に10選以上出せてしまうほど好きな作家さんです。
直木賞受賞の「鍵のない夢を見る」、本屋大賞受賞の「かがみの孤城」など、有名どころの賞を獲った作品はもちろん、すべての作品がおもしろい!
ツイッターを見てみると、「スロウハイツの神様」「かがみの孤城」を挙げている方が多い印象ですが、僕は「凍りのくじら」を挙げたいと思います。

ドラえもんのひみつ道具の名前がついた章立て、そのひみつ道具が物語の効果的なアクセントになっている構成。小説でこんなに泣いたのは初めてというぐらい感動しました。辻村作品の登場人物では、この作品の主人公・芦沢理帆子が一番好きです。

蜜蜂と遠雷/恩田陸

直木賞と本屋大賞をダブル受賞した作品。国際ピアノコンクールに出場するコンテスタントたちの群像劇です。

この作品がすごいのは、音楽の知識が全くなくても楽しめること。僕自身ピアノは全く弾けないし、クラシック音楽に関しても知識0です。
それなのに、この作品を読んでいるときには、どっぷりとピアノコンクールの楽しさに浸ることができました。「続きを読みたい」ではなく、「次の演奏を聴きたい」とまで思えてしまう作品です。

クドリャフカの順番(古典部シリーズ3作目)/米澤穂信

米澤穂信さんの「古典部シリーズ」の3作目です。古典部シリーズはどれも大好きですが「その中からあえて一つ」とするなら、この「クドリャフカの順番」です!

古典部シリーズは、短編集を除いて基本は主人公・折木俸太郎の視点で語られるんですが、この「クドリャフカの順番」は、古典部メンバー4人のそれぞれの視点から語られます。それが新鮮で、物語に深みを出してくれています。1作目「氷菓」から順番に読むのがおすすめですが、この作品から読んでも十分におもしろいです。

推し、燃ゆ/宇佐見りん

第164回芥川賞受賞で話題になった作品です。この作品を読んで、「純文学っておもしろい」と初めて思いました。

「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」の最初の一文でがっちりと掴まれました。本屋さんでこの一文を読んで、一瞬で購入することを決めるぐらいのインパクトでした。
文章の瑞々しさ、心理描写が素晴らしい作品。この文章に触れないのはもったいないとさえ思ってしまいます。
純文学に苦手意識がある方にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

星の子/今村夏子

映画化もされた作品です。今村夏子さんでは、芥川賞を受賞した「むらさきのスカートの女」とどちらを出すか悩みましたが、「星の子」の主人公ちひろの強さ・物語全体をとおしての透明さから、こちらを出したいと思います。

人を信じること・自分が信じている人を信じること、物語全体をとおして「信じる」こととはなんなのか?を問いかけられているように感じます。そして、そこに自分なりの信念をもって踏み込んでいく中学3年生のちひろ。ちひろが純粋だからこそ、読んでいる途中で胸が締め付けられることもあります。読後、ちひろの幸せを願わずにはいられない、そんな気持ちになりました。

ライオンのおやつ/小川糸

ホスピスを舞台にした作品。終末期医療や命という重いテーマですが、小川糸さんの作品らしく優しさに満ちています。

登場人物の独特なネーミング、一人一人のふわふわした人物像などもあり、個人的にはファンタジー色の強い作品だと思っています。ただ、自分の残された時間とどう向き合うか、人生の最期をどう過ごすかなどは、リアリティのある描写です。
この作品を読むと、何気ない日常、普通にできている様々なことが、とても尊いものに思えてきます。

N/道尾秀介

6章から成る物語で、どの章からどの順番で読むは読者が決めるというこれまでにない一冊。6章の組み合わせ方次第で、720通りの読み方ができる作品。

それぞれの章で物語が完結しているうえに、一つ一つの完成度がとても高いです。読む順番によって印象や読後感が変わるので、何度も読んで楽しむことができる作品です。読む順番を読者が決める、上下反転印刷など、これまでにない読書体験ができることから10選に入れました。

インストール/綿矢りさ

綿矢りささんの芥川賞受賞作は「蹴りたい背中」ですが、僕は「インストール」の方が好きです。もちろん、どちらもおもしろく、文章のリズムや心理描写なども素晴らしい作品です。完全に好みの問題だと思います。

綿矢さんの作品は、クセのある主人公が魅力的ですね。クセが強すぎて、それを受け入れられるかどうかは人によりますが。
「インストール」は2001年の作品です。デジタルが日常の中に少しずつ入ってきた頃で、パソコンが特別なものではなくなってきた時代。その時代をうまく切り取っていることがわかります。

そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティー

言わずと知れた名作ミステリ。外国の小説は苦手なんですが、いつかは読まなければいけないと思っていた作品です。

読み進めているときに気付いたんですが、この作品は「探偵のいないミステリ」なんですね。それでどうやって進んでいくんだろうと思いましたが、いやー、見事でした。たしかに、これは名作と呼ばれるべき作品です。緻密に練られたプロット、それでいてテンポよく進む読みやすさと文量。ふと思い立ったときに、さらっと読み終われる量も良いですね。
アガサ・クリスティーの入門用にも最適かと思います。

ハリーポッターと不死鳥の騎士団/JKローリング

ハリーポッターシリーズの5作目です。ハリーポッターは大好きなシリーズで、これまでに全巻通して何度も読み直しています。全巻読むからこその面白さはもちろんですが、その中で1作と言ったら「不死鳥の騎士団」を選びます。

この巻から、本格的に闇の勢力との対立が始まります。そして特に好きなのが、「DA(ダンブルドア軍団)」の結成。終盤の重要人物もどんどん登場してくるので、とても熱い一巻です!

まとめ

ちょっと長くなってしまいましたが、いかがでしたか?
気になる作品がありましたら、ぜひ読んでみてください。
今はこの10選ですが、また読書を進めていったり、年齢を重ねると変わるかもしれません。その時々の自分の10選を考えるのも読書の楽しみですね。

この記事を書いた人
さとし

作ること、読むこと、走ることが好きな40代のおじさん。
好きなことを気ままに書いています。

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