『阪急電車』有川浩【読書記録】電車の中で、人と人がつながっていく楽しさ

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有川浩さん著「阪急電車」の読書記録です。
ネタバレなしの記事なので、未読の方もご安心ください。

読了日 2022.8.5
おすすめ度 ★★★★☆(星4)

【★について】
★★★★★…これはすごい!何度も読み返したい1冊
★★★★☆…おもしろい!これはよかった!もう一回読もう
★★★☆☆…うん、よかった。
★★☆☆☆…ちょっと、自分には合わなかったかな。
★☆☆☆☆…ごめんなさい。途中で挫折しました。
そして、
★★★★★★…まさに別格。この本と出会えてよかった!

こんな感じの6段階で星を付けています。
本の評価をしているわけではなく、あくまでも個人の好みとお考えください。

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「阪急電車」について


著者:有川浩
出版社:幻冬舎
発売日:2008.1.1

あらすじ

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。
出典:Amazonより抜粋

「阪急電車」の感想

各章がスッキリまとまっているから読みやすい

基本的な構成として、「ひとつの章=駅から駅までの電車の中の様子」となっています。
一つ一つの章が短くスッキリとまとまっているので、とても読みやすいです。
しかも、ただ短いだけではなく、その中にきちんと起承転結があるので、短編として読んでも満足度は高いです。

個人的には、女子高生の「えっちゃん」の話がおもしろい。あとがきの中で著者の有川さんが「えっちゃんの話の部分だけは、実際に電車の中で聞いた内容をほぼそのまま使っている」ということを言っていたので、関西人の話術はすごいなと思いました。
この部分だけでも読む価値ありです!

登場人物がリンクするおもしろさ

各章ごとにメインになる登場人物が違います。
基本的には、「その駅(その章)」から乗った人がメインの人物になるので、章が変わっても電車を降りなければ、次の章でも登場します。
そのつながりがおもしろい。

電車の中の出会いで、恋が始まったり、あるいは終わったり、自分のやりたいことを見つけたり、これまでの人生に区切りをつけたり。
行きずりの相手だからこそ言えること、言われて心に響くことってあるんだなと思いました。

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「阪急電車」はこんな人におすすめ

・温かい物語を読みたい人
メインになる登場人物は、みんなとても心優しい人です。その人たちがかかわっていく話なので、作品全体に温かい雰囲気が流れています。ほっこりしたい気分の人におすすめです。
・章ごとのつながりを楽しみたい人
この作品の醍醐味は、各章の登場人物がつながっていくことだと思います。前の章での出来事が、次の章にも影響して物語が進んでいくので、登場人物のリンクが好きという人におすすめです。
・電車が好きな人
物語の舞台の阪急電車今津線は、実在する路線です。実際に乗ったことのある人や、電車が好きな人にとっては、身近に感じることも多いのでは?

「阪急電車」が好きな人におすすめの小説

「ツバキ文具店」小川糸


出てくる人みんなが優しい物語。読み終わったあと、心がほっこりします。

「家族シアター」辻村深月


辻村さんらしく、途中ハラハラドキドキすることもありますが、読後は温かい気持ちになれる作品です。

「本日は大安なり」辻村深月


章ごとの登場人物のリンク、読み終わったあとの温かい気持ち、「阪急電車」が好きな人ならきっと気にいると思います。

まとめ

電車の中という限られた空間だからこそのおもしろさを味わうことができます。
特に電車の折り返しに合わせて、登場人物のその後を描いていく手法もすごいなと思いました!

実は有川浩さんは、この作品が初読みでした。読みやすくておもしろかったので、有名どころの「図書館戦争シリーズ」も読んでみようかなと思っています。

この記事を書いた人
さとし

作ること、読むこと、走ることが好きな40代のおじさん。
好きなことを気ままに書いています。

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