・絵本を読むときのコツを知りたい
・大勢の前でも緊張しない方法ってあるの?
こんな疑問に答えます。
ちなみに僕は、読み聞かせ歴20年以上。幼稚園教諭時代、小学校・中学校の読み聞かせボランティアでの読み聞かせなど、いろいろな年代のこどもたちに読み聞かせをしてきました。
そんな経験から、個人的おすすめの絵本を気の向くままに紹介しています。
絵本の持ち方や読み方を詳しく解説します
絵本はどちらの手で持っても大丈夫
絵本を持つ(支える)手、ページをめくる手は、左右どちらでもかまいません。やりやすい方の手を使いましょう。
これまでいろいろな先生や実習生を見てきましたが、ここに関しては人それぞれです。
「利き手の方が疲れないから」と利き手で絵本を持つ人、
「ページがめくりやすいから」と利き手でページをめくる人、自分のやりやすい方法を探しましょう。
ちなみに僕は、利き手でページをめくりたいので左手で絵本を持って、右手でページをめくります。
絵本は顔の横ぐらいに持ちましょう
顔より下に絵本があると、読む時にどうしても頭が下がったり、絵本の前に読み手の体が出てきてしまったりすることがあります。
下を向くと声も出しにくくなるので、絵本は顔の横ぐらいの高さに持ちましょう。
このとき、絵本を若干下向きにすると、こどもたちも見やすくなります。
絵本の紙質によっては光を反射してしまうこともあるので、絵本を少し下向きにすることで反射を抑える効果もあります。
表紙、中表紙、裏表紙、背表紙も物語の一部
絵本は、その絵本全てで物語になっています。
まずは表紙を見せて題名を読む
→中表紙が出たら、もう一度題名を読む
→絵本の本文を読む
→裏表紙を見せる
→もう一度表紙を見せておしまい
というように、全てのページを通してその物語が完成します。
表紙と裏表紙の絵がつながっている絵本もありますよね?
そんな時は最後に表紙をみせたあとに、裏表紙も開いて一枚の絵として見せるといいですね。
また、絵本の装丁によっては空白のページがあることもあります。
たとえば表紙をめくって、中表紙の前に無地のページが一枚あるとか。
そんな時は、その無地のページでも一度止まり、一呼吸おきましょう。
「ここで一息ついてね」という絵本からメッセージかなと、僕は考えています。
絵本を読むときのコツを解説します
リラックスした普段の声で読む
声の出し方は、普段の話すときの声で十分です。
大勢の前で読む時には、「大きな声を出さないと聞こえないかな」と心配になるのもわかりますが、声を張りすぎるとせっかくの絵本の世界観を壊してしまいます。
絵本は本来、リラックスして読むもの
読む方も、見る方もリラックできることが大事です。
大声で読んでいてはどちらもリラックスできませんからね。
大勢の前での読み聞かせの時には、普段のおしゃべりの声よりも気持ち大きい程度(5〜6メートル離れたところにいる人に話しかけるぐらいの音量)で十分です。
絵本を見るこどもたちが集中していれば、小さな声でも聞き取れるものですよ。
絵本は「読む」ものであって「演じる」ものではない
これについては、いろいろな考え方の人がいると思います。
ただ、僕個人の考えとしては、「絵本は読むもの、紙芝居は演じるもの」という括りです。
例えば怖い鬼が出てきた場面、ちいさな女の子がしゃべる場面、悲しい場面
声色を変えたくなりますがあくまでも「絵本は読むもの」なので、同じ声で、文字の通りに読みます。
というのは、絵本の読み手としては、「見ている側が想像する余白を残す」必要があると思っています。
怖い鬼がしゃべっている場面で、読み手がいかにも怖そうな低いで読んだとする。
そうすると、聞き手は「あっ、この鬼はこういう声なんだな」とイメージをそこで固めてしまうリスクがあるんじゃないかと。
たとえば「三びきのやぎのがらがらどん」だと、一番大きながらがらどんは「ひどくしゃがれたがらがらごえ」とかかれています。
その言葉から、聞き手が「どんな声なのかな?」と想像する(楽しむ)余白を残すことは大切かなと思います。
読む速さで人物を表現する
「じゃあ、登場人物の読み分けはどうするの?」と言う人もきっといると思います。
個人的には「読み分けはしなくていい」派です。
ほとんどの場合、絵本の地の文で「◯◯は言いました」となっているから。
もしくは、誰が言ったかわかるように書かれているから。
それでもどうしても読み分けをしたいという場合には、声色を変えるのではなく、「読む速さを変える」ことをおすすめします。
テンポだったり、間の取り方だったり。
こどもや体の小さな動物は速めに
おばあさんや体の大きな動物はゆっくりと
これだけで誰の台詞かがはっきりすると思います。
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大勢の前でも大丈夫!緊張しないコツを教えます
「大勢の前に出ると緊張しちゃう」という方におすすめの方法をいくつかご紹介します。
僕はあんまり緊張はしない方ですが、読み聞かせのボランティアをやっていると、どうしてもクラスの雰囲気に入り込めないことはあります。初めていく場所や初対面のこどもたちですから当たり前なんですけど、そんな時に使う方法はこちら。
座ってからゆっくり深呼吸する
読み聞かせの場合、だいたいはイスに座りますよね。
「あっ、これ緊張しちゃう感じだ」と思ったら、イスに座ったあとに、ゆっくり深く深呼吸をするようにします。
「大勢の前で深呼吸するって、変じゃない?」と思われるかもしれませんが、見ている側からするとそんなに気になりません。
そこで間があくことで、聞き手もリラックしたり、気持ちを切り替えたりすることができます。
「みんなに観られると緊張しちゃうね」と言葉に出す
僕が一番やるのは、この方法かもしれません。
思っていることを言葉に出してしまいます。
緊張していることを隠そうとして読み始めると「バレないように」という気持ちが出てきてしまって、よけいに緊張してしまいます。
だから、最初にあえて言葉に出しておく。
そうすれば「緊張している」ことを隠さなくてもいいし、なんなら聞き手のこどもたちもちょっと笑ってくれたり、「自分も緊張してる」と共感してくれたりもします。
読み手と聞き手の時間感覚は違うことを意識する
緊張していると、「どんどん読み進めなきゃ」と焦ってしまうもの。
それだと聞いている人は、「速っ!」と思ってしまいます。読んでいる人が思っている以上に、聞いている人の時間感覚はゆっくりです。
読み手が「ちょっとゆっくり過ぎるかな?」と思うぐらいが、聞き手にとっては心地よいテンポ。
だから、読む前にゆっくり深呼吸しても、それは聞き手にしてみたら一瞬の間です。
ページとページの間も、ゆっくり、しっかり取るぐらいがちょうど良い取り方です。
焦らずに、全ての動作をゆっくりやると、緊張もほぐれていきますよ。
まとめ
絵本は楽しいものです。今回はいろいろなコツをお伝えしましたが、あくまでも僕の考えです。
読み聞かせにルールはありませんので、この記事を参考にしながら、ぜひ自分なりの読み聞かせを楽しんでいただけたらいいなと思います。
読み手も聞き手も楽しい読み聞かせが最高ですね!
読み聞かせの時の環境構成については、以下の記事を参考にしてください。
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