問6 児童虐待の防止等に関する法律
次の文は、「児童虐待の防止等に関する法律」第 14 条の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
児童の親権を行う者は、児童の( A )に際して、( B )を加えることその他民法(明治 29年法律第 89 号)第 820 条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を( C )してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。
A | B | C | |
1 | しつけ | 体罰 | 虐待 |
2 | しつけ | 暴力 | 懲戒 |
3 | しつけ | 体罰 | 懲戒 |
4 | 養育 | 暴力 | 虐待 |
5 | 養育 | 体罰 | 虐待 |
正解は…3
児童虐待の防止等に関する法律
2000(平成12)年に制定されました。通称は「児童虐待防止法」です。
第14条は、以下のとおりです。
第十四条 児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、体罰を加えることその他民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を懲戒してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。
2 児童の親権を行う者は、児童虐待に係る暴行罪、傷害罪その他の犯罪について、当該児童の親権を行う者であることを理由として、その責めを免れることはない。
児童虐待の定義
児童虐待防止法第2条で、児童虐待は
この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。
と定義されており、虐待を以下の4つの種類に分けています。
- 身体的虐待
- 性的虐待
- 育児放棄(ネグレクト)
- 心理的虐待
問7 児童手当法
次の文は、「児童手当法」第1条の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
この法律は、(中略)( A )の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての( B )を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における( C )に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする。
A | B | C | |
1 | 子ども・子育て支援 | 義務 | 生活の向上 |
2 | 子ども・子育て支援 | 第一義的責任 | 生活の安定 |
3 | 子ども・子育て支援 | 第一義的責任 | 生活の向上 |
4 | 保護者支援 | 義務 | 生活の向上 |
5 | 保護者支援 | 第一義的責任 | 生活の安定 |
正解は…2
児童手当法
1971(昭和46)年に制定された児童手当法では、第1条において以下のようにその目的を定義しています。
この法律は、子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)第七条第一項に規定する子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする。
対象は、0歳児から中学校修了までの子どもです。
問8 児童福祉施設等
次の【I群】の施設名と【II群】の説明を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【I群】
A 自立援助ホーム
B 児童心理治療施設
C 児童自立支援施設
D 児童家庭支援センター
【II群】
ア.不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、又は保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設。
イ.地域の児童の福祉に関する各般の問題につき、児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応じ、必要な助言を行うとともに、市町村の求めに応じ、技術的助言その他必要な援助等を行うことを目的とする施設。
ウ.家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難となった児童を、短期間、入所させ、又は保護者の下から通わせて、社会生活に適応するために必要な心理に関する治療及び生活指導を主として行い、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設。
エ.児童の自立支援を図る観点から、義務教育終了後、里親等への委託又は児童養護施設等への入所措置が解除された児童等に対し、これらの者が共同生活を営むべき住居。
A | B | C | D | |
1 | ア | ウ | エ | イ |
2 | イ | ア | ウ | エ |
3 | イ | ア | エ | ウ |
4 | エ | ア | ウ | イ |
5 | エ | ウ | ア | イ |
正解は…5
主な児童福祉施設等
児童の健全な育成と自立等を支援するために、児童福祉法では「児童福祉施設」を規定しています。
施設等の名称 | 主な機能 | 法令 |
---|---|---|
助産施設 | 経済的な事情により、必要があるにも関わらず入院助産を受けることができない妊産婦の出産援助を行う。 | 児童福祉法第36条 |
乳児院 | 生活環境上の理由により、家庭で適切な養育を受けることができない乳児を入所させる。 | 児童福祉法第37条 |
児童養護施設 | 保護者のない児童や虐待を受けている児童などを養護し、自立を支援する。 | 児童福祉法第41条 |
母子生活支援施設 | 配偶者のない女性やその児童を保護して生活を支援し、自立を促す。 | 児童福祉法第38条 |
保育所 | 保育を必要とする乳児・幼児を受け入れて、保育を行う。 | 児童福祉法第39条 |
幼保連携型認定こども園 | 満3歳以上の幼児に対する教育及び保育を必要とする乳児・幼児に対する保育を一体的に行う。 | 児童福祉法第39条の2 |
児童厚生施設 | 児童に健全な遊びを提供し、健康の増進と情操教育を目的とする施設。児童遊園や児童館など。 | 児童福祉法第40条 |
児童養護施設 | 保護者のない児童や虐待を受けている児童などを養護し、退所後も援助を行う。 | 児童福祉法第41条 |
児童心理治療施設 | 社会生活への適応が困難となった児童を入所または通所させて、心理に関する治療及び生活指導を行う。 | 児童福祉法第43条の2 |
児童自立支援施設 | 不良行為を行った、またはそのおそれのある児童を指導して自立を支援し、退所後も必要な相談援助を行う。 | 児童福祉法第44条 |
児童家庭支援センター | 地域の児童や母子の福祉問題について、相談援助を行うとともに、児童相談所や児童福祉施設との連絡調整などを総合的に行う。 | 児童福祉法第44条の2 |
自立援助ホーム | 義務教育終了後、様々な理由で家庭にいられなくなり、また児童養護施設等を退所し、働かざるを得なくなった、15歳~20歳までの児童が暮らす所です。 | 児童福祉法第6条の3d |
よって、正しい組み合わせは5です。
問9 児童指導員の資格要件
次の文のうち、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)に示された児童指導員の資格要件として不適切な記述を一つ選びなさい。
- 社会福祉士の資格を有する者
- 外国の大学において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
- 子育て支援員の資格を有する者
- 学校教育法の規定による大学において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
- 精神保健福祉士の資格を有する者
正解は…3
児童指導員の資格要件
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」において、児童指導員の資格要件は以下のように定義されています。
第四十三条
児童指導員は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。
- 地方厚生局長等の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者
- 社会福祉士の資格を有する者
- 精神保健福祉士の資格を有する者
- 学校教育法の規定による大学の学部で、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
- 学校教育法の規定による大学の学部で、社会福祉学、心理学、教育学又は社会学に関する科目の単位を優秀な成績で修得したことにより、同法第百二条第二項の規定により大学院への入学を認められた者
- 学校教育法の規定による大学院において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専攻する研究科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
- 外国の大学において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
- 学校教育法の規定による高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者、同法第九十条第二項の規定により大学への入学を認められた者若しくは通常の課程による十二年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)又は文部科学大臣がこれと同等以上の資格を有すると認定した者であつて、二年以上児童福祉事業に従事したもの
- 学校教育法の規定により、小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校の教諭となる資格を有する者であつて、都道府県知事が適当と認めたもの
- 三年以上児童福祉事業に従事した者であつて、都道府県知事が適当と認めたもの
よって、正解は3です。
問10 養育支援訪問事業
次の文は、「養育支援訪問事業実施要綱」(平成 29 年4月3日 厚生労働省)の一部である。
( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
3 事業の内容
対象家庭を訪問し、以下の内容を実施する。
(1)妊娠期からの( A )な支援を特に必要とする家庭等に対する安定した妊娠出産・育児を迎えるための相談・支援。
(2)出産後間もない時期(概ね1年程度)の養育者に対する( B )の解消や養育技術の提供等のための相談・支援。
(3)不適切な養育状態にある家庭など、虐待のおそれやそのリスクを抱える家庭に対する養育環境の維持・改善や児童の( C )等のための相談・支援。
(4)児童養護施設等の退所又は里親委託の終了により児童が復帰した後の家庭に対して( D )が適切に行われるための相談・支援。
A | B | C | D | |
1 | 総合的 | 育児不安 | 精神的安定 | 家庭復帰 |
2 | 総合的 | 経済的不安 | 発達保障 | 家族再統合 |
3 | 継続的 | 経済的不安 | 精神的安定 | 家族再統合 |
4 | 継続的 | 育児不安 | 発達保障 | 家庭復帰 |
5 | 継続的 | 経済的不安 | 精神的安定 | 家庭復帰 |
正解は…4
養育支援訪問事業について
「養育支援訪問事業」とは、養育支援が特に必要であると判断した家庭に対し、保健師・助産師・保育士等がその居宅を訪問し、養育に関する指導、助言等を行うことにより、当該家庭の適切な養育の実施を確保するための事業です。平成26年より実施されています。
養育支援訪問事業実施要綱
平成29年4月3日に改正された「養育支援訪問事業実施要綱」では、事業の内容について以下のように規定しています。
3 事業の内容
対象家庭を訪問し、以下の内容を実施する。
(1)妊娠期からの継続的な支援を特に必要とする家庭等に対する安定した妊娠出産・育児を迎えるための相談・支援。
(2)出産後間もない時期(概ね1年程度)の養育者に対する育児不安の解消や養育技術の提供等のための相談・支援。
(3)不適切な養育状態にある家庭など、虐待のおそれやそのリスクを抱える家庭に対する養育環境の維持・改善や児童の発達保障等のための相談・支援。
(4)児童養護施設等の退所又は里親委託の終了により児童が復帰した後の家庭に対して家庭復帰が適切に行われるための相談・支援。
よって、正解は4です。
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