問16 日本語指導が必要な外国籍の児童生徒の状況について
次の表は、「『日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成 30 年度)』の結果について」(令和元年9月 27日公表 令和2年1月10日一部訂正 文部科学省)において報告された、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒の母語別在籍状況である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
母語 | 人数(構成比) |
---|---|
( A ) | 10,404人(25.7%) |
中国語 | 9,712人(23.8%) |
フィリピノ語 | 7,919人(19.4%) |
( B ) | 3,788人(9.3%) |
( C ) | 1,845人(4.5%) |
英語 | 1,106人(2.7%) |
韓国・朝鮮語 | 595人(1.5%) |
その他の言語 | 5,386人(13.2%) |
A | B | C | |
1 | ポルトガル語 | スペイン語 | ベトナム語 |
2 | ポルトガル語 | ベトナム語 | スペイン語 |
3 | スペイン語 | ポルトガル語 | ベトナム語 |
4 | スペイン語 | ベトナム語 | ポルトガル語 |
5 | ベトナム語 | ポルトガル語 | スペイン語 |
正解は…1
日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査について
文部科学省による「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成30 年度)」の結果についてによると、日本語指導を必要とする外国籍の児童生徒の母語別在籍状況は、人数の多い順に、
- ポルトガル語
- 中国語
- フィリピノ語
- スペイン語
- ベトナム語
- 英語
- 韓国語・朝鮮語
- その他の言語
となっています。
よって、正解は1です。
問17 利用者支援事業
次の文のうち、利用者支援事業に関する記述として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 利用者支援事業は「児童福祉法」に規定する地域子ども・子育て支援事業の1類型であり、子どもまたはその保護者の身近な場所で、教育・保育・保健その他の子育て支援の情報提供及び必要に応じ相談・助言等を行うとともに、関係機関との連絡調整等を実施する事業である。
- 「利用者支援事業実施要綱」(令和2年3月27日 内閣府・文部科学省・厚生労働省)によると、利用者支援事業の特定型とは、子ども及びその保護者等が、教育・保育施設や地域の子育て支援事業等を円滑に利用できるよう、身近な場所において、当事者目線の寄り添い型の支援を実施することを目的としている。
- 「利用者支援事業実施要綱」(令和2年3月27日 内閣府・文部科学省・厚生労働省)によると、利用者支援事業に従事する者は、子どもの最善の利益を実現させる観点から、子ども及びその保護者等、または妊娠している方への対応に十分配慮するとともに、正当な理由なく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならないとされている。
A | B | C | |
1 | ○ | ○ | ○ |
2 | ○ | ○ | × |
3 | ○ | × | ○ |
4 | × | ○ | × |
5 | × | × | ○ |
正解は…5
利用者支援事業とは
「子ども・子育て支援法」第五十九条の1に位置づけられており、平成27年4月より実施されています。
内閣府より出されている「利用者支援事業とは(概要)」では、
利用者支援事業は、子育て家庭や妊産婦が、教育・保育施設や地域子ども・子育て支援事業、保健・医療・福祉等の関係機関を円滑に利用できるように、身近な場所での相談や情報提供、助言等必要な支援を行うとともに、関係機関との連絡調整、連携・協働の体制づくり等を行うものである。
出典:内閣府『利用者支援事業とは(概要)』
と定義されています。
よって、1は×です。
事業類型
利用者支援事業における類型は、下記の2種類です。
基本型 | 利用者支援、地域連携などの業務を包括的に行う。その中で、子育て家庭の個別ニーズを引き出しやすい相談姿勢と寄り添い型の支援を心がける必要がある。 |
---|---|
特定型 | 主として市町村窓口において、子育て家庭のニーズと特定の施設等を適切に結びつけ利用調整を図る「ガイド役」となる。 |
よって、2の記述内容は「基本型」なので、×です。
守秘義務について
利用者支援事業実施要綱の「6留意事項の(1)」において、
利用者支援事業に従事する者は、子どもの「最善の利益」を実現させる観点から、子ども及びその保護者等、または妊娠している方への対応に十分配慮するとともに、正当な理由なく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
出典:内閣府・文部科学省・厚生労働省『利用者支援事業実施要綱』
と定められています。
よって、3は○です。
DVの事例
次の【事例】を読んで、問 18・問 19 に答えなさい。
【事例】
X保育所で5歳児クラスを担当しているY保育士は、送迎時にクラスのZ君の母親の表情が暗く、Z君へのきつい対応が気になっていた。母親に何度か声をかけたが「大丈夫です」と答えるばかりだったので、しばらく様子を見守っていた。ある日、改めてZ君の母親に声をかけると、母親は突然泣き出した。Y保育士が別室に案内し、落ち着いた後、主任保育士とともに話を聞いたところ、深刻な表情で「半年ほど前から夫からのひどい暴言が続き、たまに暴力も受けている。子どもに対する暴
言・暴力はないが、離婚を考えている。でも、怖くて夫に言い出せない。」と話した。
問18 保育士・園の対応
次の文のうち、Y保育士の対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 公平な判断のためにZ君の父親の話も聞く必要があるので、後日父親を連れて保育所に来るように説得する。
- 今後もいつでも相談に乗る旨を伝え、担当と主任保育士だけでなく保育所全体で支援できるよう、職員間で情報を共有し、職員全員でZ君と母親の支援を図る。
- Z君には両親が必要なので離婚をするのではなく、夫婦で十分に話し合うことを提案する。
- Z君の母親の不安や夫に対する恐怖などの気持ちを受け止める。
A | B | C | D | |
1 | ○ | ○ | ○ | × |
2 | ○ | ○ | × | × |
3 | × | ○ | × | ○ |
4 | × | × | ○ | ○ |
5 | × | × | × | ○ |
正解は…3
各選択肢について
A…(×)Y保育士が声をかけただけで突然泣き出すということは、かなり精神的に追い詰められた状態であると考えられます。そのような精神状態で父親を連れてきてもらうことは、母親にとって相当負担になると思われます。また、第三者に話したことが父親に知れると、さらに暴言・暴力がひどくなる可能性もあります。専門の相談機関を紹介するなど、慎重な対応を心がける必要があるでしょう。
B…(○)適切な対応です。保育士個人としてではなく、園というチームで対応するのが望ましいです。
C…(×)母親は「離婚を考えている」と言っているので、その気持ちを否定する対応はしてはいけません。まずは、母親の気持ちを受け止めることが大切です。
D…(○)気持ちを受け止めて、信頼関係を築くことが大切です。
問19 DV被害の相談
次のうち、保育所がZ君の母親に紹介、あるいは仲介する社会資源として最も適切なものを一つ選びなさい。
- 児童センター
- 地域活動支援センター
- 地域包括支援センター
- 婦人相談所
- 母子・父子福祉センター
正解は…4
婦人相談所について
売春防止法第三十四条により、各都道府県に必ず一つ設置されている施設です。
また、平成13年4月に成立した配偶者暴力防止法により、配偶者暴力相談支援センターの機能を担う施設の一つとして位置付けられました。
この事例の場合、配偶者からの暴言や暴力があるということなので、婦人相談所を紹介するのが適切だと思われます。
問20 子育て支援
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Hさんはひとり親で、1歳9か月のL君を養育しながら、J保育所を利用している。L君の担当のK保育士は、L君がいつも朝ご飯を食べていないこと、洗濯をしていない同じ服をよく着ていること、あまり風呂に入っていないことを気にしており、Hさんに家での様子や関わり方を聞こうとしてもいつも疲れた様子で、「ちゃんと育児はしている」と言われるばかりである。また、Hさんは持病があり、仕事を続けて休むことがある。K保育士は、保育所長に対応を相談したところ、保育所長か
らは「Hさんは、子育てと仕事の両立が大変なのかもしれない。少しでも負担を軽減できる方法を提案してみてはどうか。」とアドバイスされた。
【設問】
K保育士がHさんに利用を勧める事業として、最も不適切なものを一つ選びなさい。
- 乳児家庭全戸訪問事業
- ひとり親家庭等生活向上事業
- 子育て短期支援事業
- 子育て援助活動支援事業
- 延長保育事業
正解は…1
乳児家庭全戸訪問事業
生後4ヶ月までの乳児のいるすべての家庭を訪問し、子育て支援に関する情報提供や養育環境等の把握を行う事業です。
L君はすでに1歳9ヶ月で、この事業の対象ではないので、1が×です。
ひとり親家庭等生活向上事業
ひとり親の家庭において、修学等や病気などの事由により、一時的に生活援助・保育サービスが必要な場合又は生活環境等の激変により日常生活に支障が生じている場合に、家庭生活支援員の派遣等を行う事業です。
Hさんはひとり親で、持病があるので、この事業の対象になります。
子育て短期支援事業
保護者の病気等により、家庭での養育が一時的に困難になった場合に、その子どもを児童養護施設に入所させて必要な保護を行う事業です。
Hさんは持病があり、仕事も休みがちとのこと。また、食事や洗濯などが困難な時もありそうな様子なので、子育て短期支援事業を勧めるのは適切です。
子育て援助活動支援事業
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)とは、
乳幼児や小学生等の児童を有する子育て中の労働者や主婦等を会員として、児童の預かりの援助を受けたい者と当該援助を行いたい者との相互援助活動に関する連絡、調整等を行う事業
出典:厚生労働省『子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)の概要』
のことです。
Hさんは仕事と子育ての両立で疲れた様子が見られるので、子育ての負担を軽減する方法としてファミリーサポートセンターを勧めるのは適切です。
延長保育事業
保育認定を受けた子どもについて、通常の利用日及び利用時間以外にも、園で保育を行う事業のことです。
L君の保育時間を長くすることで、Hさんの負担を少しでも軽減できると考えられます。よって、延長保育事業を勧めることは適切です。
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