問6 ゲルマンの数え方5原則
次の文は、幼児の学びの過程に関する記述である。( a )~( d )の下線部分を説明するものとして、【説明欄】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
幼児期においても、子どもは様々な工夫をしながら、すでに計算のやり方を発見しているのである。例えば、(a)おはじき2個と3個を合わせるのであれば、指を2本立て、次に指を3本立て、改めて(b)指を数え直すと5になることを見い出す。そのうちに、はじめの2本は立てずに後の3本を立て、(c)「1、2」と口で言って、3本の指を立てる時点で「3、4、5」と口で言うこともするようになる。さらに(d)「3に5を足す」といった場合に、「5に3を足す」というように、順序を逆に行うと楽だということも発見する。
【説明欄】
- 「対象を数える順序は数に無関係である」ことは順序不変の原則という。
- 「数詞をいつも同じ順序で唱える」ことは安定した順序の原則という。
- 「付与された最後の数詞が対象の集合の数を示す」ことは基数の原則という。
- 「数える対象のそれぞれに、ただ一つの数詞を割り当てる」ことは一対一対応の原則という。
A | B | C | D | |
1 | ア | イ | ウ | エ |
2 | ア | ウ | イ | エ |
3 | ウ | イ | エ | ア |
4 | エ | ア | ウ | イ |
5 | エ | ウ | イ | ア |
正解は…5
ゲルマンの数え方5原則
これは、ゲルマンの数え方5原則の問題です。
一対一対応 | 物と数字を一つ一つ対応させることです。 |
---|---|
安定した順序 | 物を数えるときに、数字の順番がきちんと並んでいることです。 |
順序不変 | 物を数える時に、右や左、真ん中などどの順番から数えても量は変わらないと理解することです。 |
基数性 | 物を数えたときに最後の数字がその物の量や数と一致することが理解できていることです。 |
抽象性 | 数える対象が何であったとしても、すべて同じ原理が使えることです。 |
このことから、正解は5です。
問7 保育所保育指針
次の文のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」1「乳児保育に関わるねらい及び内容」の一部として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 子どもからの働きかけを踏まえた、応答的な触れ合いや言葉がけによって、欲求が満たされ、安定感をもって過ごす。
- 保育士は、子どもの反応を引き出し、関心を方向づけ、保育士からの働きかけを受け止める力を育てるようにすると、子どもは身近な環境に親しみをしめすようになる。
- 生活の中でも、遊びの中でも、保育士等が主導し、たくさんの経験を重ねることで、後の子どもの主体性の芽生えを育む。
- 保育士等による語りかけや歌いかけ、発声や喃語等への応答を通じて、言葉の理解や発語の意欲が育つ。
A | B | C | D | |
1 | ○ | ○ | × | × |
2 | ○ | × | ○ | × |
3 | ○ | × | × | ○ |
4 | × | ○ | ○ | ○ |
5 | × | ○ | ○ | × |
正解は…3
保育所保育指針について
Aは、記述のとおりです。(2)ねらい及び内容の「イ 身近な人と気持ちが通じ合う」の中で、述べられています。
Bは誤りです。保育士が子どもの関心を方向付けるのではなく、身の回りのものに子どもが自ら関わることができるように環境を構成することが大切です。
「ウ 身近なものと関わり感性が育つ」の中に
②見る、触れる、探索するなど、身近な環境に自分から関わろうとする。
と記述されています。
Cは誤りです。「イ 身近な人と気持ちが通じ合う」の中で、
受容的・応答的な関わりの下で、何かを伝えようとする意欲や身近な大人との信頼関係を育て、人と関わる力の基盤を培う。
とうたわれています。
Dは記述のとおりです。
問8 観察法
次のうち、観察法についての記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 観察法は、構造化の程度によって構造化観察、半構造化観察、非構造化観察の3種類に分類される。
- 観察者が存在することによる影響をできるだけ避けようとする場合、傍観的観察を行う。
- 参与観察は、人の生活の場で対象となる人たちと関わりながら、観察することをいう。
- 現場に解決すべき課題があると気づいたとき、当事者たちの生活や社会をよくするために観察し、実践研究を進めていくことをアクションリサーチという。
A | B | C | D | |
1 | ○ | ○ | ○ | × |
2 | ○ | × | ○ | × |
3 | ○ | × | × | ○ |
4 | × | ○ | ○ | ○ |
5 | × | ○ | × | × |
正解は…4
観察法の種類
観察法には、大きく分けると以下の2種類があります。
自然観察法 | 子どもの行動に何の条件や統制を加えずに、自然な姿を観察する方法 |
---|---|
実験観察法 | 目的に沿って、対象となっている子どもに条件や統制を与えて、その姿を観察する方法 |
よって、Aは誤りです。
B〜Dについては、記述のとおりです。
問9 子育て支援
次のうち、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」(2)「保護者の状況に配慮した個別の支援」に照らして、子どもの障害や発達上の課題への対応として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 他の子どもや保護者に対しては、保育所としての方針や取り組み等について丁寧に説明するとともに、必要に応じて障害に対する正しい知識や認識ができるように配慮する。
- かかりつけ医や保健センター等との連携をはじめ、児童発達支援センター等の専門機関からの助言を受けたりするなど、状況に応じて関係機関と協力しながら支援していくことが重要である。
- 保育所では、子どもへの援助に関する計画や記録を個別に作成して進め、一方、保護者支援は外部専門機関に託するなど、分けて考えるのが基本である。
- 就学に際しては、保護者の意向よりもこれまでの保育所生活を踏まえ、小学校や特別支援学校等への交渉を図ることが求められる。
A | B | C | D | |
1 | ○ | ○ | × | ○ |
2 | ○ | ○ | × | × |
3 | ○ | × | ○ | × |
4 | × | ○ | ○ | ○ |
5 | × | × | ○ | × |
正解は…2
保護者の状況に配慮した個別支援
他の子どもや保護者に対する配慮
保育所保育指針解説には、
他の子どもや保護者に対しても、保育所としての方針や取組等について丁寧に説明するとともに、必要に応じて障害に対する正しい知識や認識ができるように配慮する。
出典:厚生労働省「保育所保育指針解説」
と記載されています。
よって、Aは○です。
他機関との連携
保育所保育指針解説には、
かかりつけ医や保健センター等との連携をはじめ、育てにくさを感じている保護者に対しては、子育てに前向きになれるよう子どもへの理解や対応についてのプログラムを紹介したり、児童発達支援センター等の専門機関からの助言を受けたりするなど、状況に応じて関係機関と協力しながら支援していくことが重要である。
出典:厚生労働省「保育所保育指針解説」
と記載されています。
よって、Bは○です。
家庭との連携
保育所保育指針解説には、
家庭との連携を密にするとともに、子どもだけでなく保護者を含む家庭への援助に関する計画や記録を個別に作成するなど、適切な対応を図る必要がある。
出典:厚生労働省「保育所保育指針解説」
と記載されています。
つまり、子どもだけではなく保護者に対する支援も、保育所の役割として定義されています。
よって、Cは誤りです。
就学について
就学に際しては、保護者の意向を丁寧に受け止めつつ、小学校や特別支援学校等、就学先との連携を図ることが求められる。
出典:厚生労働省「保育所保育指針解説」
と記載されています。
つまり、就学に際しては保護者の意向を丁寧に聞くことが大切です。
よって、Dは誤りです。
問10 仲間関係
次の文は、学童期以降の仲間関係に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
小学生の中・高学年に形成される( A )の高い仲間集団は( B )と呼ばれる。 ( B )は、一緒に同じ活動に熱中することで得られる一体感や充実感を活力源とする集団である。一方、中学生頃の女児にしばしばみられる( C )は、お互いの感覚が同じであり「分かり合っている」ことを確認し、誇示する仲間集団である。( C )が( B )と異なるのは、単に同じ活動を共に行うだけでなく、共通の趣味や話題を核とした密接な関わりをもつ点にある。だが、どちらも( D )な性質をもつことは共通した特徴である。
しかし、現代では、遊び場の減少や( E )の進行、ゲームなどの遊び方の変化により、こうした仲間集団のあり方が変化しているといわれる。
【語群】
- 凝集性
- ギャング・グループ
- 拡散性
- チャム・グループ
- 親和性
- ピア・グループ
- 少子化
- 排他的
- 高齢化
A | B | C | D | E | |
1 | ア | イ | エ | ク | キ |
2 | ア | イ | カ | オ | ケ |
3 | ア | イ | カ | ク | キ |
4 | ウ | エ | イ | ク | キ |
5 | ウ | カ | エ | オ | ケ |
正解は…1
ギャング・グループとは
排他的な遊び仲間を求める児童期の一時期(小学校中学年〜高学年)をギャング・エイジと呼びます。
その時期に形成される集団をギャング・グループと呼びます。
この集団は極めて閉鎖性が高く、グループ内での役割分担やメンバーだけに通じるルールが存在することが特徴です。
大人から離れて行動することによって、青年期において親友を形成する基盤となり、将来の社会生活に必要な知識や技能、態度が形成されていくといわれています。
チャム・グループとは
前思春期(中学生頃)に見られる仲間集団のことであり、特に女子に多く見られます。
精神分析的対人関係論学派のサリヴァンはこの段階の友人関係をチャムシップと呼び、重視しました。
ピア・グループとは
青年期以降の友人関係のことです。
この集団は、異質性を認める特徴があり、男女混同であったり年齢に幅があったりすることもあります。
互いに価値観や理想・将来の生き方などを語り合う関係も生まれてきます。
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