「この本を盗む者は」深緑野分【読書記録】いろいろなジャンルを楽しめるファンタジー小説

この本を盗む者は 小説

深緑野分さん著「この本を盗む者は」の読書記録です。

さとし
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ネタバレなしの記事なので、未読の方もどうぞ。

「この本を盗む者は」のあらすじ

この本を盗む者は
著者:深緑野分
出版社:KADOKAWA
発売日:2020/10/8

“本の街”読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めているが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれたことで本の呪いが発動し、町は物語の世界に姿を変えてしまう。泥棒を捕まえない限り町が元に戻らないと知った深冬は、不思議な少女・真白とともにさまざまな物語の世界を冒険していくのだが……。初めて物語に没頭したときの喜びが蘇る、胸躍るファンタジー!
出典:Amazonより抜粋

ハマる人はハマるかなり癖のあるファンタジー

ジャンルとしてはファンタジーですが、実はいろいろなジャンルを楽しむことができる作品。
というのも、本の呪い”ブックカース”が発動すると読長町全体が物語の世界に姿を変えてしまいます。その物語というのが各章ごとに違っていて、童話だったりハードボイルドだったりSFだったりするんです。
普段は読まないジャンルも味わえるのがけっこう面白かったりします。

ただ、普段の世界が物語の世界に変わることで、かなりシュールな場面もあります。たとえば第1章では、まぶたに「母」の文字が書かれたまま昼寝をしている人や、物語の中の役割「従者」のゼッケンを付けている人が出てきます。さらに主人公の深冬は、本泥棒を探す間に少しずつ狐に変わっていくという、説明していてもかなりカオスな展開。

さとし
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実は、この展開に馴染めずに一度挫折しました。

それでもしばらくしてから「今なら読めるかも!」と思い再読してみると、見事ハマりました。
今思えば、最初に読んだときはタイトルからミステリ要素のあるファンタジーかな?と思って読み始めたのが間違いだったなと。
どんな雰囲気の話で、どんな展開なのかある程度の心づもりがあれば、楽しめたなぁと今更ながら思います。
シュールな展開や癖のある話に抵抗がなければ、もしくはそれを知った上で読み始めればかなり楽しめる作品だと思います。

映像化したら絶対おもしろいと思う。コミック版もおすすめ

各章でガラッと雰囲気が変わります。本泥棒をおいかけるシーンではアクション要素もあります。主人公や町の人たちが少しずつ狐化していく場面も映像で見たら面白そう。膨大な蔵書を誇る御倉館も、迫力があると思います。ぜひアニメ化してほしい作品だなと思っています。
コミック版はすでに出ているので、絵で楽しみたい方はコミック版もおすすめです。

「この本を盗む者は」が好きな人にはこちらもおすすめ

モモ

ファンタジー小説と言ったら「モモ」は外せないでしょう。カメがしゃべったり、時間泥棒だったり、ちょっと謎な要素があるところも似ているような気がします。分類としては児童書ですが、大人が読んでも十分楽しめますよ。

かがみの孤城

本屋大賞受賞、アニメ映画化、コミカライズ等いろいろなメディアで楽しめる作品。個人的にはこれまで読んだ本でトップクラスで面白い!誰にでもおすすめできる作品です。

楽園のカンヴァス

ジャンルも作品の雰囲気も全く違いますが、「作中作」という共通点でおすすめの作品。「この本を盗む者は」とは違いかなり重厚感のある作品ですが、メインストーリーと作中作でガラッと雰囲気が変わる点が似ているように感じます。

まとめ

物語の世界を冒険しながら、少しずつ成長していく深冬を応援したくなる作品です。読み終わったあとも、まだこの世界に浸っていたいと思えた作品でした。
ほんと、映像化してほしい。。。

この記事を書いた人
さとし

二児の父。静岡在住。年間100以上の本を読みます。
趣味のDIYや読書について投稿します。
最近はダイエットにも挑戦していて、半年で10kgの減量に成功しました。

DIY、健康、読書メインの雑記ブログです。

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