恩田陸さん著「蜜蜂と遠雷」の読書記録です。
ネタバレなしの記事なので、未読の方もご安心ください。
読了日 2021.12.25
おすすめ度 ★★★★★★(星6)
★★★★★…これはすごい!何度も読み返したい1冊
★★★★☆…おもしろい!これはよかった!もう一回読もう
★★★☆☆…うん、よかった。
★★☆☆☆…ちょっと、自分には合わなかったかな。
★☆☆☆☆…ごめんなさい。途中で挫折しました。
そして、
★★★★★★…まさに別格。この本と出会えてよかった!
こんな感じの6段階で星を付けています。
本の評価をしているわけではなく、あくまでも個人の好みとお考えください。
「蜜蜂と遠雷」について
あらすじ
近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。 自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。 かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。 楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。 完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。 天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。 その火蓋が切られた。
出典:Amazonより抜粋
「蜜蜂と遠雷」の感想
クラシック音楽を全く知らなくても楽しめる
ピアノコンクールが舞台と聞いて、読むのを躊躇してしまう人はいると思います。
実際、僕も読み始めるまでは「大丈夫かな?ちゃんと最後まで読めるかな?」と不安でした。
クラシック音楽は全く知らず、ピアノの演奏を聴いていると眠くなってしまうほど。
だけど、そんな心配は杞憂でした。
文章を読むことで、聴いたことのないクラシックの曲を聴いている気分になれるんです。しかも、コンクール参加者の演奏の違いまでわかってしまう(違いがわかるように書いている恩田さんはすごいと思う)ので、なんだか音楽に詳しくなったかのような錯覚をしてしまいます笑
これまでクラシックを聴いたことがない、ピアノを聴いても良さがわからない、そもそも音楽に興味がない、そんな人たちにもおすすめです。
読んでいると、参加者たちの演奏が聴こえてきます!
「早く続きを読みたい」ではなく、「次の演奏を聴きたい」と本気で思ってしまいました。
そして、いつの間にか主人公の一人栄伝亜夜(えいでん あや)のファンになっていました!
臨場感を味わうことができる章立て
「蜜蜂と遠雷」は、章ごとに「第1次予選」「第2次予選」と進んでいきます。
これが、とにかくわかりやすくてワクワクします!
読み進めていくと、実際のコンテストを観ている感覚になってくるので、いつの間にか自分の贔屓のコンテスタントを見つけていました。
さっきも言いましたが、僕の場合は栄伝亜夜でしたね。
けれど、他のコンテスタントの演奏もとてもよかったです。
スピンオフの「祝祭と予感」もおすすめ
「蜜蜂と遠雷」が気に入った人には、スピンオフ作品の「祝祭と予感」もおすすめです。
メインの登場人物のその後や、過去のエピソードなどがあって、「蜜蜂と遠雷」をもう一度読み直したくなります。
個人的には、亜夜の理解者である浜崎奏のエピソード「鈴蘭と階段」がよかった。
本編でも楽器の転向についてちょっと触れていたので、その後が読めて嬉しかったですね。
まとめ
たとえば「無人島に一冊だけ本を持っていけるとしたら?」と聞かれたら、「蜜蜂と遠雷」と答えると思います。
なぜかと言うと、この本があれば小説を読むことと音楽を聴くことの両方ができるから。
ちなみに僕は、栄伝亜夜の第2次予選の演奏が一番気に入りました。その部分だけ、何度読んだかわかりません笑
音楽に興味のある人も、クラシック音楽は聞いたことがないという人にもオススメできる一冊です。
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