米澤穂信さんの人気シリーズ「古典部シリーズ」
現在、全6作+特集ムック本が刊行されています。
高校の「古典部」が舞台の日常の謎系のミステリです。
日常の謎とは言っても、ライトノベルではありません。しっかりしたミステリシリーズですので、ミステリ好きの人におすすめです。
現在は6巻まで出ていますが、タイトルに「古典部」と付いているわけではありません。
なので、
「古典部シリーズって、どれから読めばいいの?」
という人もいるかも。
今回は「古典部シリーズ」の順番と、簡単なあらすじを紹介します。
ネタバレはしませんので、未読の方もこのまま読み進めてOKですよ
古典部シリーズ1「氷菓」
シリーズ一作目。省エネ主義の高校生折木奉太郎(おれき ほうたろう)が、神山高校古典部に入部する。同じく古典部に入部した千反田える(ちたんだ える)の好奇心に振り回されながら、日常に潜む謎を解き明かしていく。
小さな謎を解明しながら、古典部にまつわる大きな謎に挑んでいく構成がおもしろいです。
古典部シリーズ2「愚者のエンドロール」
シリーズ二作目。文化祭へ向けた2年F組制作のビデオ映画「ミステリ(仮)」。その謎を解いてほしいと頼まれた奉太郎たち。他の探偵志願者たちの証言を参考に、ミステリ映画の結末を推理していきます。
「愚者のエンドロール」というタイトルがうまいなぁと感じます。
個人的にこの2作目で好きなポイントは、天文部の沢木口先輩が登場すること。沢木口さんは、このあともちょこちょこ登場してくる面白いキャラクターです。
古典部シリーズ3「クドリャフカの順番」
シリーズ3作目。いよいよ神山高校文化祭当日の話です。文集「氷菓」を販売するだけでは終わらないのが古典部。思いもよらないトラブルと怪盗「十文字」の登場。古典部四人の視点から、リアルタイムで文化祭が進んでいる様子が描かれているのが楽しい作品です。
もし古典部シリーズで一番のおすすめを一冊選ぶなら、この「クドリャフカの順番」を選ぶと思います。
クリスティーの「ABC殺人事件」を読んでおくとより楽しめるかも
アガサ・クリスティーの作品名がいくつか出てくるので、知っているとより面白いかもしれません。もしくは、クドリャフカの順番で興味をもったら、クリスティーも読んでみるといいかもしれません。
内容的には全く関係ないので、どちらを先に読んでも全く問題ありませんよ。
古典部シリーズ4「遠まわりする雛」
古典部シリーズ初の短編集です。前三作の間やその後のエピソードが収録されていて、奉太郎たちの一年間を補完する作品です。
奉太郎とえるが出会ってすぐの話、文化祭が終わったあとの冬の話などを楽しめます。
それぞれの時期での各キャラクターの内面が描かれているので、それぞれの成長や変化を感じることができます。
古典部シリーズ5「ふたりの距離の概算」
シリーズ5作目。
いよいよ奉太郎たちが二年生になります。舞台は神山高校マラソン大会。
仮入部をしていた新入生が、突如入部を取りやめた原因を探ります。
奉太郎が過去の出来事を回想しながら推理する構成なので、短編集的な楽しみ方もできると思います。
実際僕も、
入部受付の話はどの短編集で読めるんだっけ?
なんて考えることもあるので、各回想シーンごとにしっかりしたミステリとして楽しめます。
ちなみに、その入部受付の場面には文化祭でカボチャに扮装していた製菓研が出てくるので、時々無性に読みたくなるんです。
番外編「米澤穂信と古典部」
「遠まわりする雛」まで読んできて、古典部シリーズを気に入った方には「米澤穂信と古典部」を強くお勧めします。
原作にまつわる小ネタや作者の米澤穂信さんと豪華作家陣との対談など盛りだくさんです。
中でも、個人的に一番気に入っているのが「古典部メンバーの本棚紹介」
古典部メンバーの本棚にはどんな本があるかを、米澤さんご自身が選書しています。ここのページが好きすぎて、暇さえあれば何度も見返してしまいます。
古典部シリーズ6「いまさら翼といわれても」
こちらも短編集。「遠まわりする雛」が、その時々の各キャラクターの現在地だとすると、この「いまさら翼といわれても」は過去や未来に焦点を当てる物語だと言えると思います。
ぼくは、摩耶花がメインの「わたしたちの伝説の一冊」が一番好きです。文化祭で少し描かれた漫研のその後のエピソードを描きつつ、摩耶花が一歩を踏み出す様子が描かれています。
まとめ
シリーズのどこから読んでも楽しめますが、やはり1作目「氷菓」から順番に読んでいくことをおすすめします。その方が、各キャラクターの特徴もわかり、より感情移入しやすくなると思います。
古典部シリーズは、アニメもコミックもあります。原作に忠実なストーリーはもちろん、それぞれの良さを活かした演出もありますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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