今回は、DIYの基本となる「図面の描き方」を解説します。
「えっ、図面って必要なの?」
「作りながら考えればいいんじゃない?」
と言う方も多いと思います。
実際僕も、図面を描かない時はあります。特にシンプルなものを作る場合は、簡単なメモをもとに現物合わせでサイズを計ったり思い付きで形を変えたりすることも多いです。
DIYでは、必ずしも図面が必要ではありません。作りながら考えて、新しいアイデアを盛り込んでいくことも、もちろんDIYの醍醐味です。
ですが、図面通りに完成した時の喜びは格別のものがありますよ。
ラフスケッチを描いてイメージを固める
まずは作りたい物のイメージを固めます。
「こんな物を作りたい」と考えているものを絵で描いてみましょう。
作れるかどうかは一旦置いておいて、とにかく作ってみたいものを何パターンか出してみるといいです。そうすることで新しいアイデアが出てきたり、イメージが固まったりしていきます。
作りたいもののイメージが決まったら、細部を決めていきましょう。
サイズはどうするのか、どの木材を使うのかなどを考えながら、完成図を描いていきます。
アイデア出しにはスケッチブックがおすすめです。
1/5スケールで正面と側面図を描く
作りたい物の形が決まったら、正面と側面からの図を描きます。
サイズは5分の1がおすすめです。つまり600mm(60cm)は120mm(12cm)になります。
この時に、幅や高さだけではなく、棚がある場合は棚板と棚板の間のサイズや板の厚みなど、細かい部分まで記載しておくと組み立てる際に役立ちます。
下の写真は絵本ラックを作った時の側面図です(点線は表面から見えない板です)。
図面を描く時には1㎜方眼用紙がおすすめです。
必要な部品を描きだす(1/5スケール)
正面と側面図ができたら、次に必要な部品を描き出します。
サイズはさっきと同じく5分の1です。「側板」「棚板」など、どの部分に使うのかも記しておくとわかりやすいです。
慣れてきたら、ネジを打つ位置も記しておくと間違いがありません。
上の写真では、+印がネジ止め位置を表しています。
全ての部品が描けたら、さっきの正面・側面図と何度も見比べて、足りない部品がないか確認してください。
1/5スケールで木取り図を描く(1/10スケールでもOK)
全ての部品を描き出せたら、最後は木取り図です。
木取り図とは、ホームセンターなどで売られている大きな板材や合板から、どのように必要なサイズの部品を切り出すかを記した図です。
これをしっかり描いておくと、ホームセンターのカットサービスで切ってもらうことができます。
カットサービスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
どう配置したら無駄がないか、木目の向きはどうなるか等にも配慮しましょう。
複雑な部分があれば、1/1スケールで確認する
ここまでできれば、完璧な図面ができているはずです。
あとは木材を準備して組み立てるだけですね。
ただ、もしも組み立てる際に複雑だったり、不安な部分があったりする場合には、その箇所だけ1/1スケールで描いてみるといいと思います。
上の画像は、絵本ラックで斜めに固定する板の部分を実物大で描き出したものです。棚板を斜めにしたかったので、各棚板間のサイズやネジの位置を確認するために使いました。
実物大で描くことで、実際のイメージをもちやすくなったり、組み立てる際のガイドになったりもします。
まとめ
図面を描く手順としては
1 ラフスケッチでイメージを描き出す
2 正面図と側面図を描く(1/5スケール)
3 必要な部品を描き出す(1/5スケール)
4 木取り図を描く(1/5スケールor 1/10スケール)
5 複雑な部分は実物大で
正確な図面を描こうとするとけっこう時間がかかります。面倒な作業かもしれませが、正確な図面を描くことができれば完成したも同然です。
そして、じっくり図面と向き合うことで、頭の中が整理されて失敗も少なくなります。
ぜひお試しください。
コメント