問6 母子及び父子並びに寡婦福祉法について
次の文のうち、「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 母子家庭及び父子家庭において、児童が、その置かれている環境にかかわらず、心身ともに健やかに育成されるために必要な諸条件が保障される。
- 母子家庭の母及び父子家庭の父の、健康で文化的な生活が保障される。
- 母子家庭の母及び父子家庭の父並びに寡婦は、自ら進んでその自立を図り、家庭生活及び職業生活の安定と向上に努めなければならない。
- 福祉事務所は、母子家庭、父子家庭及び寡婦の福祉に関する相談に応じ、必要な調査および指導を行う。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
2 | ○ | × | × | ○ |
3 | × | ○ | ○ | × |
4 | × | × | ○ | × |
5 | × | × | × | ○ |
正解は…1
母子及び父子並びに寡婦福祉法について
「母子及び寡婦福祉法」が、2014(平成26)年に「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に改正・改称されました。
法改正のポイントは
①母子家庭等に対する支援の拡充
②父子家庭への支援の拡大、拡充
③児童扶養手当と公的年金等との併給制限の見直し
です。
改正後、第4章に「父子家庭に対する福祉の措置」が新設されています。
母子、父子の自立支援
2014(平成26)年の法改正により、自立を支援するための就労支援事業、日常生活支援事業など、ひとり親家庭の支援の強化を図ることになりました。
仕事と子育てを両立しながら経済的に自立するとともに、子どもが心身ともに健やかに成長できるように支援体制を充実させることも目的にしています。
また、母子・父子自立支援員の設置が、都道県や市等において努力義務になっています。
問7 生活保護制度について
次の文のうち、生活保護制度に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 原則として、保護は、個人ではなく世帯を単位としてその要否及び程度を定める。
- 原則として、保護は、「民法」に定める扶養義務者の扶養に優先して行われる。
- 原則として、保護は、他の法律による扶助に優先して行われる。
- 原則として、保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族による申請がなくても開始することができる。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | × | × |
2 | ○ | × | × | × |
3 | × | ○ | × | × |
4 | × | × | ○ | ○ |
5 | × | × | × | ○ |
正解は…2
生活保護の実施の原則
生活保護法では、以下の4つの原則が記載されています。
・申請保護の原則(第7条)
・基準及び程度の原則(第8条)
・必要即応の原則(第9条)
・世帯単位の原則(第10条)
よって、Aは○。Dは×です。
生活保護制度について
厚生労働省より、「生活保護制度の概要」が出ています。
この中で、
・扶養は、生活保護に優先される
・年金、社会保障給付を活用しても必要な生活費を得られない場合に保護を受けられる
と明言されています。
よって、BとCは×です。
生活保護の種類
生活保護には、以下の種類があります。
種類 | 内容 | 給付形態 |
---|---|---|
生活扶助 | 衣食、光熱費などの日常生活費 | 金銭給付 |
教育扶助 | 義務教育を受けるために必要な学用品費 | 金銭給付 |
住宅扶助 | アパート等の家賃 | 金銭給付 |
介護扶助 | 介護サービスの費用 | 現物給付 |
出産扶助 | 出産に必要な費用 | 金銭給付 |
生業扶助 | 就労に必要な技能の修得等にかかる費用 | 金銭給付 |
葬祭扶助 | 葬祭に必要な費用 | 金銭給付 |
医療扶助 | 医療費必要な費用 | 現物給付 |
問8 障害児の福祉サービスについて
※選択肢の中に正答がないため、全員正解となった問題です。参考のために掲載しています。
次のうち、障害児が利用することができる福祉サービスとして、誤っているものを一つ選びなさい。
- 放課後等デイサービス
- 居宅介護
- 同行援護
- 就労移行支援
- 短期入所
すべて、障害児が利用できるサービスです。
問9 社会福祉の相談員について
次の文のうち、社会福祉の相談員に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 婦人相談員は、配偶者のない者で現に児童を扶養している者および寡婦に対し、相談に応じ、その自立に必要な情報提供および指導を行う。
- 都道府県に配置される身体障害者福祉司は、身体障害者更生相談所の長の命を受けて、身体障害者の福祉に関し専門的な知識及び技術を必要とする業務を行う。
- 乳幼児を 10 人以上入所させる乳児院には、家庭支援専門相談員を置かなければならない。
- 児童福祉司は、児童相談所長の命を受けて、児童の保護その他児童の福祉に関する事項について、相談に応じ、専門的技術に基づいて必要な指導を行う等、児童福祉の増進に努める。
- 小児科の診療に相当の経験を有する医師または嘱託医
- 看護師
- 個別対応職員
- 家庭支援専門相談員
- 栄養士
- 調理員
- 心理療法担当職員
- 住民の相談に応じ、必要な援助を行う。
- 職務に必要な知識および技術の修得に努めなければならない。
- 給与は支給されない。
- 任期は5年である。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | × | × |
2 | ○ | × | ○ | × |
3 | × | ○ | ○ | ○ |
4 | × | ○ | × | ○ |
5 | × | × | × | ○ |
正解は…3
婦人相談員とは
「婦人相談員」は、要保護女子の発見、相談、指導等を行います(売春防止法第35条)。また、配偶者からの暴力被害相談、指導も行います(DV防止法第4条)。
配偶者のない者で現に児童を扶養しているもの及び寡婦に対し、相談に応じ、その自立に必要な情報提供及び指導を行うのは、「母子・父子自立支援員」です(母子及び父子並びに寡婦福祉法)。
よって、Aは×です。
身体障害者福祉司とは
身体障害者更生相談所などで身体障害者の福祉に関して、専門的な知識及び技術を必要とする業務を行う者(身体障害者福祉法第11条の2)。
よって、Bは○です。
乳児院の職員配置
乳幼児10人以上を入所させる乳児院では、以下の職員を配置する義務があります。
心理療法を行う必要があると認められる乳幼児又はその保護者10名以上に心理療法を行う場合
よって、Cは○です。
児童福祉司とは
児童相談所において、児童の相談に応じ、必要に応じて指導を行う者(児童福祉法第13条)。
よって、Dは○です。
問10 民生委員について
次の文のうち、民生委員に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | ○ | × |
2 | ○ | ○ | × | × |
3 | ○ | × | ○ | ○ |
4 | × | ○ | × | × |
5 | × | × | ○ | ○ |
正解は…1
民生委員とは
歴史
1918(大正7)年に、大阪府で創設された「方面委員制度」を基礎としています。
1946(昭和21)年に民生委員と名称を変えて、1947年(昭和22)年に制定された児童福祉法により、民生委員は児童委員を兼務することになりました。
関係法令
1948(昭和23)に制定された民生委員法の中で、
民生委員は、社会奉仕の精神をもつて、常に住民の立場に立つて相談に応じ、及び必要な援助を行い、もつて社会福祉の増進に努めるものとする。(第1条)
民生委員は、常に、人格識見の向上と、その職務を行う上に必要な知識及び技術の修得に努めなければならない。(第2条)
民生委員には、給与を支給しないものとし、その任期は、三年とする。(第10条)
と記載されています。
よって、正解は1です。
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