シェル・シルヴァスタイン作の「ぼくを探しに」を紹介します。
黒い線のみで描かれたシンプルなイラストが、なんとも味わい深い絵本です。
こども向けの絵本として出版されていますが、大人が読んでも楽しめる内容です。「考えさせられる」と言った方が正しいかもしれませんね。
「ぼくを探しに」のあらすじ
以下、Amazonからの引用です。
何かが足りない
それでぼくは楽しくない
足りないかけらを探しに行く
ころがりながらぼくは歌う
「ぼくはかけらを探してる、足りないかけらを探してる、
ラッタッタ さあ行くぞ、足りないかけらを……」
引用元:Amazon
「ぼくを探しに」は、年長~小学生~中学生におすすめ
絵もストーリーもシンプルですが、テーマが抽象的だったり、ページ数が意外に多かったりするので、読み聞かせで使うなら年長さんぐらいがいいかもしれません。
「自分探し」にもつながっていくので、小学生や中学生への読み聞かせで使ってもおもしろいと思います。
実際僕も、小学校高学年や中学3年生への読み聞かせで読んだことがあります。
「ぼく」の、ある一言がとても深い
と呟きます。なるほど つまり そういうわけだったのか
この一言が、とても深い
この物語のテーマを一言で表現しています。
必ずしも
「足りないかけら」=「必要なかけら」
ではないということなんだと思います。
「ぼくを探しに」読み聞かせのポイントは、余韻を残すこと
余韻を残すことは、読み聞かせ全般に大切なことですが、
この絵本の場合は、より一層大切だと思います。
主人公の「ぼく」は、絵本を読んでいる自分自身、絵本を見ているこども自身です。
読む人、時期、タイミングによって、全く別の感じ方をする絵本だからこそ、
読み聞かせのあとの読み手の一言で、読後感を統一してはいけません。
読み終わった後は、
何も言わず、何も語らず、ただ静かに本を閉じるようにしましょう。
シルヴァスタインの絵本では、「おおきな木」の方が有名かもしれません。数年前に、作家の村上春樹さんの新訳版が出て話題になりましたね。
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