問11 ソーシャル・ケースワークの4つの要素
次のうち、パールマン(Perlman, H.H.)が著したソーシャル・ケースワークの4つの要素とその説明の組み合わせとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 人(Person)—生活上で課題を抱え、支援を必要とする人
- 問題(Problem)—利用者の直面する生活上の問題や課題
- 計画(Plan)—支援を行うにあたり必要とされる支援計画
- 過程(Process)—利用者と支援者との関係を基盤として展開される支援過程
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
2 | ○ | ○ | × | ○ |
3 | ○ | ○ | × | × |
4 | ○ | × | ○ | × |
5 | × | ○ | ○ | ○ |
正解は…2
パールマンの「4つのP」
パールマンが定義した、ソーシャル・ケースワークにおける4つの要素は
- 人(Person)—クライエント
- 問題(Problem)—解決されるべき問題
- 場所(Place)—援助を受ける場所
- 過程(Process)—問題解決までの過程
この4つです。
よって、Cが×になります。
一見すると、計画(Plan)でも違和感なく読めてしまうので気を付けてください。しっかり「4つのP」を覚えておきましょう。
問12 ソーシャル・ワークの展開過程
次の文のうち、ソーシャルワークの展開過程に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- インテークとは、受理面接といわれるもので、利用者のニーズや問題のアウトラインを聞き取る面接過程である。
- インターベンションとは、介入や実施といわれるもので、利用者の問題解決への具体的な支援計画を立案する過程である。
- モニタリングとは、経過観察といわれるもので、介入や実施した内容が妥当であるか検討する過程である。
- エバリュエーションとは、終結を意味し、その後の経過を見守る段階である。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | × | ○ | × |
2 | ○ | × | × | ○ |
3 | × | ○ | × | × |
4 | × | × | ○ | ○ |
5 | × | × | ○ | × |
正解は…1
ソーシャル・ワークの展開過程
- インテーク(受理面接)—クライエントと面接を行い、どのような問題を抱えているかを把握します。ここで信頼関係を築くことが大切です。
- アセスメント(調査)—収集した情報を整理しながら、解決すべき問題を探し、その原因を分析します
- プランニング(計画)—アセスメントで整理された情報をもとに目標を設定し、実施計画を立てます。
- インターベーション(介入)—実施計画に基づいて、クライエントが問題を解決できるように働きかけます。
- モニタリング(観察)—計画された援助が予定通り行われているかを、観察・評価します。
- エバリュエーション(最終評価)—クライエントの問題が解決されたかを判断します。
- ターミネーション(終結)—クライエントの問題が解決された場合、もしくはクライエントが終了を望んだ場合、そこで援助は終了になります。
問13 相談援助の原理・原則
次の文のうち、相談援助の原理・原則に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 受容とは、利用者をあるがままに受け入れることである。
- 個別化とは、一人一人の利用者を個人としてとらえることである。
- 非審判的態度とは、利用者を一方的に非難しないことである。
- 利用者の自己決定の尊重とは、利用者は自己決定権を有しており、支援者は利用者の自己決定を侵害してはいけないことである。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
2 | ○ | × | ○ | ○ |
3 | ○ | × | ○ | × |
4 | × | ○ | ○ | × |
5 | × | ○ | × | ○ |
正解は…1
バイスティックの7つの原則
アメリカの社会福祉学者バイスティックが定義した「バイスティックの7つの原則」は、相談援助技術の原則として代表的なものです。
個別化 | 利用者を一人の個人として、その個別性を尊重する。 |
---|---|
意図的な感情表出 | 利用者がありのままの感情を表すことができるように援助する |
統制された情緒関与 | 利用者の感情や言葉を理解し、援助者は意図的に反応する。 |
受容 | 利用者のあるがままの行動を受け止める。 |
非審判的態度 | 利用者の行動を良い悪いで判断しない。 |
自己決定 | 利用者の自己選択・自己決定を尊重する。 |
秘密保持 | 利用者の情報を、利用者の許可なしには漏らさない |
問14 相談援助の方法・技術
次の文のうち、相談援助の方法・技術に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- アウトリーチとは、支援の必要な状況であるにもかかわらず、それを認識していない、あるいは支援につながっていない利用者に対して、支援者から援助につなげるための働きかけを行うことである。
- ケアカンファレンスとは、支援に関する情報を共有し、組織的な支援計画を作成するための会議への参画及び会議を運営することである。
- ソーシャルアクションとは、利用者の支援に必要となる公的・私的な社会資源の分野・業種等の横断的な協働関係を形成することである。
- ケアマネジメントとは、支援の開始にあたり、支援計画に基づいて、利用者が公的な社会資源やボランティア等の民間サービスを統合的に利用できるように仲介していくことである。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | ○ | × |
2 | ○ | ○ | × | ○ |
3 | ○ | × | ○ | ○ |
4 | × | ○ | ○ | ○ |
5 | × | × | ○ | ○ |
正解は…2
アウトリーチとは
アウトリーチ(Outreach)は、直訳すると「外に手を伸ばす」という意味です。
福祉分野においてのアウトリーチとは、支援が必要であるにもかかわらず届いていない(あるいは支援が必要であることに気付いていない)人に対し、行政や支援機関などが積極的に働きかけて、情報や支援を届けるプロセスのことを指します。
従来は、支援が必要な人の住んでいる家や地域に出向く訪問支援全般がアウトリーチと表現されていましたが、少しずつ定義が広がってきています。
よって、Aは○です。
ケアカンファレンスとは
ケアカンファレンスとは、医療や福祉の現場における会議のことを指します。「情報の共有」「問題のすり合わせ」「問題の解決に向けた話し合い」など、様々なことが話し合われます。
話し合われた内容をもとに、組織的な支援計画が作成されるので、Bは○です。
ソーシャルアクションについて
ソーシャルアクションとは,社会問題の解決のために制度の創設などを求める活動のことを指します。
よって、Cは×です。
ケアマネジメントについて
ケアマネジメントとは、利用者が適切なサービスを利用できるようにケアプランを作成したり、ケアプランに基づいたサービスを提供する事業所と連絡、調整を行うことをいいます。
よって、Dは○です。
問16 グループワークについて
次の文のうち、グループワークの過程に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 準備期とは、利用者がグループに溶け込むために利用者同士の接触、交流をうながす働きかけをし、相互作用を活性化していく時期である。
- 開始期とは、グループの目的を明確にし、具体的な援助計画を立て、その支援ができる環境を整える時期である。
- 作業期とは、グループの主体的な展開を重視し、利用者と少し距離を保ちながら側面的に援助していく時期である。
- 終結期とは、利用者自身、自らが自己の目標を評価し、同時に支援者の行う援助を振り返って評価する時期である。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | × | × |
2 | ○ | × | ○ | × |
3 | ○ | × | × | ○ |
4 | × | ○ | × | ○ |
5 | × | × | ○ | ○ |
正解は…5
グループワークとは
グループワーク(集団援助技術)は、集団のもつ特性や力を生かして、集団と個人の双方に働きかける援助方法です。
集団に属する個人の力を引き出し、成長・発達を図るとともに、集団の成長も促します。
グループワークの原則
個別化の原則 | グループのメンバー一人一人の個別性を認め、一人の個人として理解する。 |
---|---|
受容の原則 | メンバー一人一人の固有性を認めた上で、あるがままの姿を受け入れる。 |
葛藤解決の原則 | メンバーに不安や緊張、対立が生じた時には、メンバーがともにその葛藤を解決していくように援助する。 |
参加の原則 | メンバーの能力に応じたフループへの参加を促す。 |
制限の原則 | メンバーが自主的に目標に向けてのルールを策定し参加できるように援助する。 |
経験の原則 | メンバーが協力することにより、多くの交流体験ができるようにする。 |
グループワークの展開過程
グループワークは、以下の4つの展開過程に分けられます。
- 準備期…グループ活動を始める準備として、援助者とメンバーが初めて顔を合わせる前段階
- 開始期…初めての顔合わせから、グループとして活動を始めるまでの段階
- 作業期…グループが本格的に目標達成のための活動を進める段階
- 終結期…グループ援助の終わりの段階
よって、正解は5です。
コメント