【エリクソンの8つの発達段階説】発達課題と心理学的な危機とは?

保育士試験

ドイツ生まれの発達心理学者エリクソンは、アイデンティティの概念や発達段階説を提唱したことで有名です。
特に「8つの発達段階説」に関しては、保育士試験でも出題されることが多いです。

この記事では、エリクソンの8つの発達段階説について解説します。

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エリクソンの発達段階説とは

エリクソンの発達段階説は、生涯発達の観点から社会的な側面を重視した発達理論になっています。
それぞれの段階に発達課題があり、それが達成できない場合に心理学的な危機の状態になるとされています。

各発達段階と心理学的な危機

乳児期(0〜1歳頃)

信頼 対 不信

きちんと愛情を受けて、世話を受けながら世話をされながら育っていくことで、周りの人との基本的な信頼感が生まれます。

育児の放棄等により、十分な愛情を受けられなかったり、世話をされなかったりすると、周りの人に対して不安や不信感・無力感をもってしまいます。

幼児期前期(1〜3歳頃)

自律性 対 恥・疑惑

この時期は「何でも自分でしたい」という挑戦欲や自立性が芽生えます。
チャレンジや失敗を繰り返し「自分でやってみたい」という「意思」を得ることができます。

挑戦したことに対して非難や否定をしてしまうと自律性は育つことなく、自分を信じてくれないという「恥・疑惑」が生まれてしまいます。

幼児期後期(3〜6歳頃)

自発性・積極性 対 罪悪感

この時期は、遊びや関心があるものについて「自発性・積極性」が芽生えます。さまざまな事柄に対して「なぜ」という目的意識をもつことで、興味のあることへの追求ができるようになります。

一方、子どもの自発性や主体性のある活動に対して、周りの大人が嫌な態度をとったり厳しくしつけたりすると、子どもは「罪悪感」をおぼえます。

児童期(5〜12歳)

勤勉性(生産性) 対 劣等感

幼稚園や小学校など、集団で生活する時期です。
同年齢の中で、規則に従い自主的に努力するなど「勤勉性」が生まれます。
一方、他者と自分を比べることで「劣等感」をもつこともあります。

勤勉性により成功体験をすることで、自信がつきます。これで得られる「有能感」は、成長していく上で大切な感情です。

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青年期(12〜20歳頃)

同一性(自我同一性、アイデンティティ) 対 同一性拡散

思春期とも呼ばれる時期です。
他者と異なる自分自身のアイデンティティを確立させることにより、自己を受け入れることができます。

自己を確立させることができないと、自分が何者なのかがわからず混乱してしまいます。これを「同一性拡散」と言います。

成人初期(20〜30歳頃)

親密 対 孤立

自分を確立し、友人や社会・家庭など、信頼できる人たちと「親密」な人間関係を築きます。

その関係をうまく築くことができない場合、「孤独」を感じることがあります。

成人後期(30〜65歳頃)

世代性(生殖性) 対 自己陶酔(自己吸収)

「世代性」とは、次の世代を支えていくもの(子ども、新しいアイディア、技術など)に関心をもつことです。

次世代への関心をもつことができない場合、自分の所有物や身体的健康だけにしか関心をもてなくなってしまいます。

成熟期(65歳頃〜)

自己統合 対 絶望

これまでの人生を振り返り、「良い人生だった」と思うことができれば自己統合は達成できたと言えます。

一方、これまでの人生に満足できない場合には、絶望に直面してしまいます。

まとめ

エリクソンの発達段階理論は、1950〜1960年代の欧米男性をモデルにして組み立てられています。
現代の日本では当てはまらない部分も多いですが、自分が今どの段階にいるかの目安にはなるかもしれません。
また、保育や育児の視点から見てみると、子どもの行動の「なぜ」を考えるヒントになるかもしれませんね。

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激動の20世紀を一身に生き、個人の内面を歴史と社会が脈打つ動的存在としてとらえる「アイデンティティ」の概念を紡ぎ出したエリクソン。この巨人のライフサイクル理論そのままに、その生涯と思想の展開を見事に描き出した伝記的思想研究の傑作。上下2巻本。
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アイデンティティとライフサイクル
本書はエリクソンの第一論文「自我と社会の関係」(1946年)、第二論文「健康なパーソナリティ」(1950年)、第三論文「アイデンティティの問題」(1956年)の三つの論文からなっている。原書初版は1959年に出版され、1973年に『自我同一性――アイデンティティとライフサイクル』という邦題で、小此木啓吾・小川捷之・岩男...
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