『旅のラゴス』筒井康隆【読書記録】人生こそ最大の旅だと実感する一冊

小説

筒井康隆さん著「旅のラゴス」の読書記録です。
ネタバレなしの記事なので、未読の方もご安心ください。

読了日 2022.7.10
おすすめ度 ★★★★☆(星4)

【★について】
★★★★★…これはすごい!何度も読み返したい1冊
★★★★☆…おもしろい!これはよかった!もう一回読もう
★★★☆☆…うん、よかった。
★★☆☆☆…ちょっと、自分には合わなかったかな。
★☆☆☆☆…ごめんなさい。途中で挫折しました。
そして、
★★★★★★…まさに別格。この本と出会えてよかった!

こんな感じの6段階で星を付けています。
本の評価をしているわけではなく、あくまでも個人の好みとお考えください。

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「旅のラゴス」について


著者:筒井康隆
出版社:新潮社
発売日:1994.3.30

あらすじ

旅をすることがおれの人生にあたえられた役目なんだ。
集団転移、壁抜けなど不思議な体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅を続ける男・ラゴスの目的は何か?
北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。
出典:Amazonより抜粋

「旅のラゴス」の感想

SF初心者におすすめ

あらすじを見ると、SFだということはすぐにわかると思います。
集団転移や壁抜けなど、いわゆる特殊能力ものかな?と思ってしまいますが、そんなことはありません。
これらの能力は、物語のアクセントにはなれども、メインではないんです。

物語のメインは、あくまでも主人公ラゴスの旅。
唐突に旅の途中の場面から始まるので、読み始めた最初は「?」でした。

それでもどんどん物語の世界に引き込まれてしまいます。
さすが筒井康隆さんです。

ジャンルとしてはSFですが、バリバリのSFではありません。
登場人物たちもいたって普通の人たちであり、考え方にも共感できます。
SFに苦手意識があったり、読んだことがなかったりする人にもおすすめです。

いつまでもラゴスの旅を追いかけたくなる

主人公のラゴスは、ある目的のために旅をしています。
その目的がなんなのか、どうして旅に出たのかは、物語がかなり進んでから語られます。

最初は気になっていた目的や動機も、ラゴスの旅を追いかけるのに夢中でいつの間にか気にならなくなってしまいます。
それというのも、このラゴス。旅先で数年過ごすのは当たり前、中には10年近くひとところに留まることも。

目的のある旅なのか、旅そのものが目的なのか、ラゴスの旅を追いかけていたつもりが、ラゴスの人生を追いかける感覚ですね。
それでも、どんどん先が読みたい。
ラゴスの行き着くところはどこなんだろう?と、気になって一日で読み終わってしまいました。

印象に残った言葉

筒井康隆さんの文章や言葉は素晴らしいです。言葉の持つ力を感じさせてくれるような印象を受けます。

今作では特に、

人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思うことに可能な限りの時間を充てさえすればそれでいい筈だ
出典:「旅のラゴス」新潮社

この言葉が印象に残りました。
まさにラゴスの生き方を表現している文章。そして、実はこれが人間が理想とする生き方なんじゃないかと思います。

まとめ

「旅のラゴス」の発売は1994年です。
今から約30年前。
これだけの長い時を経ても、たくさんの人に読まれている作品はやっぱりすごいですよね。

内容も全く古さを感じさせません。
むしろ新たな気づきを与えてくれるほどです。

「SFは読んだことがない」「筒井作品自体読んだことがない」という方にも、ぜひおすすめしたい一冊です。

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